考えかた

思い出のアフターフォロー

ゆきみん
ゆきみん
今日は思い出話をひとつ。

プレゼントをもらうと、誰だって嬉しい。

が、たまに嬉しい気持ちを越えてしまうことはないだろうか。
「こんなことって、あっていいの?」といったように。

私の一番古い「こんなことって」の記憶。

 

中学3年の頃、アメリカで1週間ホームステイをした。

初めての海外、初めてのホームステイ。
何もかも緊張の連続だった私を、本当にあたたかく受け入れてくれた。

それは、家にいたワンちゃんも。

とても人懐こい犬だった。
家族は犬を中心に回っているといってもいいほど可愛がっていて、家中のいたるところに彼の写真や絵が飾ってあった。

私のベッドの脇にも同じ犬種のぬいぐるみが置いてあって、初日に部屋に入った瞬間とても和んだのを覚えている。

 

今でも1日1日が鮮明に思い出せるくらい充実したホームステイ。
一生懸命覚えてきた英語を披露するたび、手を叩いて褒めてくれて。

「幸せすぎてこわい」という感情を、私はこの時初めて知ったような気がする。

最終日、寂しくてたまらなかった。
嗚咽するほど泣き、考えておいた感謝の気持ちもちゃんと言えないまま、お別れの時間はやってきた。

泣きじゃくりながら車に乗り込もうとする私に、ホストマザーが「この子も連れて行ってね」と渡したもの。
それは、あのベッドの脇においてあった犬のぬいぐるみだった。

 

そうなのだ。
ホストファミリーは、私が家に来る前から、別れの日どんなに寂しがるか分かっていたのだ。
別れた後のことを考えてくれていた。

つまり、思い出のアフターフォロー。

おかげで、最後は笑顔でお別れの挨拶ができた。

 

日々の中には、「別れの日」や「夏休みの最終日のような日」が、いくつも存在する。
そんな日には、思い切り寂しい気持ちに浸るのもいい。

けれど、寂しさのその先を想像して、誰かや自分を思いやるのも、大切なのかもしれないなあ。

おしまい。

ABOUT ME
ゆきみん
ゆきみん
都内在住のライター、会社員。 YouTubeで世界の魅力を伝えています。 詩やエッセイを書くことが好きです。