これまでもこれからも繰り返しああ嫌だああ嫌だと思うのは、欲しいものがいつも少し、少しは手に入ってしまうこと。いずれなくなるのに、いつも最初に少しだけ手に入ってしまって、続きなんてないと分かっている少しの部分を最初に享受するしかなくて、拒否することはできない、それは拒否を許さない、やり過ごすことも許さない、見ろ、集中しろ、味わえ、消えゆく様子、今、ひと時、永遠は嫌い、
終わりはなんだって苦しくて、分かってたことが分かってた通りになされ、ただ見る、分かってた通りに苦しい、苦しい、把握済み、それなら最初から少しも手に入らなければいいのにと思うけれどそれは私で制御できる範疇のことではなくてただただじっと見ている、とても見ている、私はその少しをずっと見ている、今はもうなくなってしまったそこにあった、さっきまで確かにあったものを、消えてしまったひかりの端のところ、どんなに探したって今はもうどこにもないその僅かを、すべての人に忘れられたそのひかり、誰にも必要とされなかったひかり、自分にさえ必要とされなかった、捨てた、戻った、名無しの、私はずっと見ようとしている、始まりから終わりまでを見ている、ずっと見ている、悲しい悲しいパラレルワールド、少しを手に入れたのはいつだったか、手に入れたことなど、私は少しの斜めに立っていた、分かりながら、すごく分かりながら、とても集中的に強く強く立っていた、そして見ていた、斜めのところ、せつないパラレルワールド、かわいそうなパラレルワールド、
過去は頻繁に悲しさと共に定住を決めてしまい、置いてけぼりでも構わない、気高く、すべては文学的な要求を満たすために、鋭くそこに、あるだけでした