私には物心ついたころから「いつか自分の本を出したい」という夢があります。
でもその夢、いつ消失してもおかしくないと思っています。
電子書籍の台頭
それは言わずもがな、電子書籍の台頭によるもの。
想像以上に勢いがすごかった。
紙の方がコストがかかるからと、今や「Kindleでしか読めない本」なんてものも結構存在していますよね。
大好きな作家が「Kindle限定小説」を出したと知ったときの衝撃と言ったら…
「え!?そっち派!?」みたいなね。笑
この調子でトップを走る書き手がどんどん電子書籍に移行していったら…。
時代は進んでいるのではなく、流れている。
というわけで、断固として電子書籍反対派を貫き、いつか自分の本を絶対に出してやると思っていました(笑)。
でもよくよく考えてみると、時代の流れに逆らおうとしたり、それを止めようとしたりするのって、物事をちゃんと分析できていないことに等しいと思ったんです。
これは電子書籍に関わらず、他の技術に関しても言えることです。
私は決して、技術が発展したからといって社会が向上するとは思っていません。
というのも、技術の発展によって失われたものだって、同じくらいあると思うからです。
スマホのせいで家族の会話が少なくなった、インターネットで人と繋がりすぎるのが苦痛、というように、物事には必ず良い面と悪い面が存在している。
メリット・デメリットをすべて書き出したら、同じだけあると思います。
だからこそ、「時代は進んでいる」ではなくて、「時代は流れている」と考えるべきだし、その流れにただ逆らうことは、優劣が付けられないものに無理やり優劣を付けようとするのと同じです。
というわけで、最初は「電子書籍なんて何があっても絶対に認めない!」と思っていたのですが、時代の流れに寄り添いながらちゃんと物事を両面で見るのも、大事なことだと考えるようになりました。
そして何より、自分は紙の本の良さを知っている。
これがとても強いと思っていて、周りを見ていても、新しいものを使いこなせる人は古いものの良さをものすごく知っている。
大きな視点で言うと、歴史を勉強する意味もここにあると思います。
夢は柔軟に変化させよう。
というわけで、私はこのブログを始めました。
夢が消失するのをじーっと見ている暇があったら、さっさと叶えればいいと思ったんですね。明日死ぬかもしれないんだから。
無論、「本を出したい=伝えたいことがある」わけです。
確かに今でも紙の本を出したいという夢は捨てていないけれど、「紙でなくていいなら、どうぞご自由に」と言わんばかりに、私たちは色んな手段を与えられている。
文学賞をとらなくてもいい。
資本もわざわざ用意しなくていい。
そしてこれは、読む側のメリットも大きいですよね。
大作家の文章よりも、どっかの中学生のちょっとしたツイートが刺さるなんてことはいくらでもある。しかも無料!
Kindleの読み放題プランなんかを見てると、泣けてくるんですよね。その呆気なさに。
ここ数年で、一体なんたることだよ…。
私は学生の頃、本でかなり散財しました。
「本は身銭を切って買え」みたいな考えを割と本気で信じていたんですね。笑
楽しみにしていた小説の出版も、単行本じゃ高いから、文庫本が出るのを1年待って…ちまちま集めていました。まあそれも、紙の本の魅力ですけどね。
というわけで、今日言いたかったのは、「時代に合わせて夢を柔軟に変化させることも大切かもしれませんよ」ということです。
KindlePaperwhiteを初めて友達に借りたときの、「ほれ見い。」というドヤ顔が忘れられません 。笑
おしまい。