東京食肉市場まつり2018
品川駅港南口から歩いてすぐ、全国一の規模の取引高を誇る食肉市場に行ってきました。
都会のど真ん中にあります。(都会ができたのが後なんですけど)
年に一度の食肉市場まつりは、高級なお肉が安価で買えるということもあり、大勢の方で賑わいます。
※会場の様子は他の方のブログにも詳しいので、ぜひそちらをご参照ください。
ところで、「食肉解体施設」に訪れたのは今回が初めてだったのですが、そこで思い出したのが、こちらの映画。
「いのちの食べかた」です。
いのちの食べかた
「いのちの食べかた」は、食べ物の大規模・大量生産の現場を描いたドキュメンタリー映画。
ナレーションもBGMもない、淡々と生産現場とそこで働く人々を映し出している映画で、感想・解釈は本当に人それぞれだと思います。
私がこの映画を初めて観たのは、高校生の頃。
とにかくショックが大きかった。
それまで食卓のお肉がどんな風に作られているのか、情けないことにまったく想像したことがなかったんです。
あまりの衝撃で、その後1年ほどベジタリアンになりました。
ベジタリアン生活は続いたの?
親に大豆ミートなんかを使った食事を用意してもらい、しばらく肉なしの生活を送りました。
が、このベジタリアン生活はあっけなく1年で終了します。
それは、修学旅行で北海道に行ったときのこと…。
そう。ジンギスカンです。
私は昔から、とにかく羊肉が大好物。
ベジタリアンになってからというもの、長らくお目にかかっていませんでした。
が。
修学旅行の夜のスケジュールに「ジンギスカン食べ放題」と、がっちり組み込まれていたんです。そりゃ、北海道といえばジンギスカン!ですからね。
最初はお肉を食べる気なんてなく、隅の方で焼いた野菜をちまちま食べていました。
すると同じ班の友達が
「ゆきみん、こんなおいしいのにほんまに食べへんの?修学旅行を機に、ベジタリアン卒業したらいいやん!」
と猛烈にジンギスカンをすすめてきたんですね…。
そして、修学旅行の楽しい気分とかその場のノリとかも相まって、私は1年ぶりにお肉を食べました。すごくすごく食べました。
久しぶりに食べる大好物の羊肉…。
あの美味しさを超えるお肉はもうないと思います。
ベジタリアン生活の終焉
というわけで、修学旅行での一番の思い出は「ベジタリアン生活の終焉」。
帰宅後すぐに親にその旨を伝えると、面倒な食事管理から開放された母もホッとした表情でした。
「私の」いのちの食べかた
明確な理由もなく、ノリで肉を解禁し、ジンギスカンをたらふく食べた私。
なんて甘いんだろう?
いったい、あの映画を観たときの気持ちはどこに行ったのか?
1年のベジタリアン生活を、そんな簡単に終わらせていいのか?
こんな私はいのちをいただいても、いいのだろうか。
でも、お肉はおいしい。
羊肉を食べると元気が湧いてくる。
みんなで囲んで食べる焼き肉だって、とても楽しい。
私はお肉が食べたい。
「私の」いのちの食べかた。
それは、どこまでも整理ができない気持ちをずっと持ち続けたまま、いのちをいただくことだと思っています。
ベジタリアン生活は、正直、気持ちの面ではとっても楽でした。
なぜなら、こうした「不完全な気持ち」を持たなくていいからです。
「いのちはいただきません」とはっきり言えるからです。
でも、私はジンギスカンを食べた。
そして、いのちを食べる理由はまだうまく説明できません。
明確に答えの出ないテーマを抱えながら、生かしていただくこと。
これが、「私の」いのちの食べかたです。
いのちを、いただいている。
いただくまでには様々な過程があり、それを知る必要はみんなにあると思います。
みなさんの「いのちの食べかた」は、どんな風ですか?
おしまい。