こんにちは!ゆきみん(@yukimin_jp)です。
「ゆきみんオススメ本」記事では、これまで私が読んできた本の中で、忘れられない強烈な作品、何度も読み返している作品を1つずつ紹介していきます。
皆さんにとって大切な一冊になれば、とても嬉しいです!
第一回はこちら。
【幸福を見つめるコピー】日本を代表するコピーライターに学ぶ、世界の見方
ゆきみんオススメ本第二回は、岩崎俊一「幸福を見つめるコピー」。
noteでお話した通り、私は会社員時代、メーカーの広告部門に所属していました。
広告に関する本はひと通り読んだのですが(広告年鑑20年分含め70〜80冊は読んだと思います)、その中でも最も印象に残り、何度も読み返したのがこちらの本です。
広告業界には有名なコピーライターが多数いらっしゃいます。
糸井重里さんならご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
この本の著者、岩崎俊一さんも有名コピーライターの1人。
読売広告大賞、朝日広告賞、カンヌ国際広告賞ほか、数々の賞を受賞されています。
今回ご紹介する本は、岩崎さんが書いてきたコピーと、それぞれのコピーが生まれるまでの経緯がエッセイ形式で書かれた本です。
例えば、
人は貧しいという理由で
死んではいけない。
日本フォスター・プラン協会 1999年
このコピーが生まれた経緯を、著者・岩崎俊一さんはこのように書いています。
いいことをするとは、ほんとうにむずかしいのだ。
フォスター・プランの仕事が来た時、真っ先に考えたのはそのことだ。
経済大国に住む日本人が、きょう食べるものにも困っているアジアやアフリカの人に救いの手をさしのべる。
まさに絵に描いたような「善行」の構図がそこにある。
さあむずかしいぞ、この広告は、と思った。
―(略)―
その時ふと思った。こんなふうに悩んでいるひまはあるのか。ないだろう。相手は、いま死ぬか生きるかの瀬戸際にいるのだ。
引用元:岩崎俊一「幸福を見つめるコピー」
その他、岩崎俊一さんの有名なコピーといえば、
「年賀状は、贈り物だと思う。」(郵政)
「やがて、いのちに変わるもの。」(ミツカン)
などがあります。
広告やキャッチコピーに関する書籍は本当にたくさんありますが、ほとんどはキャッチコピーを並べているだけのもの。
一方、こちらの本では「著者がどんな思考を経てコピーが生んだのか」を知ることができるんです。
たった一行の言葉に込められた思いを知ることで、今までは街で見かけても「ああ、いいフレーズだね」と流してしまっていた言葉の一つひとつが意味を持つようになります。
そして、自分が言葉を考えるときの姿勢も学ぶことができます。
私は心が少しやさぐれそうになったら、よくこの本を読んでいます。
岩崎俊一さんの鋭く、そして優しい目線に触れると、とても気持ちが落ち着くんですよね。
岩崎俊一さんのエッセイ集は他にも
今回ご紹介した本はこちらですが、
岩崎俊一さんのエッセイといえば、こちらもオススメです。
岩崎俊一さんが東急線沿線で配られているフリーペーパー「SALUS」(発行20万部以上)で連載していた人気エッセイ「大人の迷子たち」の書籍化。
何度読み返しても温かい気持ちにさせてくれるエッセイ集です。